位牌を作る時、行年と享年と2つあるけれど、位牌にどちらを入れればいいか分からない。
満年齢や数え年などで違うとか、ルールが分からない。そんなあなたに、明確に回答します。
記事が長くなると読みにくいので、ほぼ結論のみを端的に書いていきます。
また、享年に歳を入れるのは本来間違い、とか、享年には満年齢、行年には数え年を入れるなど、色々な情報がネットに蔓延しています。
そのような議論に華を咲かせるような記事ではなく、ここでは、位牌を作る時実際どうなの?ということに焦点を絞って回答します。
享年か行年どちらを入れるか? |
位牌には享年か行年どちらを入れるか?
結論から言いますと、享年と行年、どちらを選んでも良いです。
好きな方を入れるか、白木位牌を真似て作る、または、ご先祖の位牌に合わしましょう。
実際にお位牌Makerで位牌のご注文を受ける中では、享年が半分、行年が半分くらいの割合です。
享年と行年の意味
享年→命を享(う)けた年数
行年→この世で修行をした年数
同じような意味です。あまり深く考える必要はありません。
白木位牌を真似するか、ご先祖の位牌に合わすと良いです。
「本来、享年(行年)に歳(才)を付けるのは誤用説」がネットで蔓延中!
過去に2度程、享年に歳を付けないでくださいと注文を頂いたことがあります。
おそらく、色々なサイトを見て勉強してから注文されたのかと思いますが…ほんとにそのサイトの情報、正しいですか?
特に歳や才を入れなくてもいいのですが、一般的に、私のいままでの経験上、すべての位牌に歳や才を入れて皆さん作られています。
とあるサイトで、「最近は満○○才と位牌の裏に記載して作ることも多い」と書かれていましたが、1000本以上位牌を作っていますが、今までそのような注文は来たことがありません。
全く事実と異なります。
自社サイトを作るのに専門外のライターに記事を依頼しているのではないかと思います。
享年や行年でネット検索すると出てくる記事には、「本来、歳や才をつけるのは誤り」等、様々なサイトで言われていますが、古いwikipediaの情報を根拠に記事を書かれていることが多く、正しい情報とは言えないようです。
wikipediaも、誰かが本当に数少ない一部の書などを元に作ったもです。ネットの情報が全て正しいとは限りませんので気を付けたいですね。
以下の引用は、ウィキペディアの議論ページにあるものですのでご紹介しておきます。
引用:wikipedia(「享年(行年)」に関する議論ノートページ)
「享年」に「歳」をつけるのは誤用と書いてありますが、要出典をつけました。 国立国語研究所のFAQでは、「日本語としては誤用とは言えない」と取れる見解です。 国立国語研究所では曲亭馬琴を例として上げていますが、1756年刊行の「竹豊故事」でも行年〇〇才とあります。 この「『享年』に『歳』をつけるのは誤用説」はいろいろなところで出ていますが、Wikipediaのこの記事を根拠としていることが多く、Wikipediaに出典が明記されていないのは問題だと感じます。 また、私が数年前に調べた限りでは、ネット上の「『享年』に『歳』をつけるのは誤用説」は、とあるサイト(忘れてしまいましたすみません)で「漢詩的には行年に歳をつけないので、享年に歳をつけるのは誤りだと中国文学の高名な学者が言っている」と紹介したのが始まりっぽいです。正直な話、この記述の出典が示せないのであれば、Wikipediaの影響力から考えて、削除した方が良いのではないでしょうか。--Kicokico 2010年2月8日 (月) 18:47 (UTC)
中国文学の高名な学者=高島 俊男のようです。「お言葉ですが…」の2巻(2001年に文春文庫化)に載っているらしいです。なお、「とあるサイト」は見つかりませんでしたが、「『享年』に『歳』をつけるのは誤用説」のネットでの古い記述は、2002年ぐらいが多いです。--Kicokico 2010年2月8日 (月) 20:07 (UTC)
位牌には満年齢、数え年どちらを入れるか?
ずばり、満年齢で入れましょう。現在、実際にご注文頂くお位牌は、ほとんどが満年齢で表記されています。
数え年は生まれた時に既に1歳で、お正月をすぎるとまた1歳と増えるので、最大で満年齢との差が2歳も開きます。
もう、何がなんだかになってしまうので、現代では満年齢で位牌を作ることがほとんどとなっています。
中には数え年で白木位牌を作られている寺院様もいらっしゃいますので、心配であれば位牌を作成する前に相談すると良いでしょう。
白木位牌があれば、それを真似れば大丈夫です。
享年には数え年。行年には満年齢。という説もネットで蔓延中!
誰が言い出したか分からないのですが、享年は数え年、行年は満年齢という説が、これも色々なサイトで蔓延しています。
サイトによっては全く違うことを書いてあったりもします。しかし、このような情報に惑わされてはいけません。
位牌には満年齢を入れましょう。